株式会社ヨセミテさんが、これまでのビジネスを中止して出直しということになった。(オンライフのサービス終了とヨセミテの体制変更について « ヨセミテBlog)
ヨセミテさんは、社会的に意義のあることをITを通じて実現しようということで、闘病記を共有するサービスを提供していた。が、サービス開始後一年を過ぎても、297ユーザーしかいないということで、中止せざるを得なくなったのだろう。
創業者二人は、フォートラベルの創業者と、ミクシィの元取締役という華やかな経歴の持ち主だ。
患者さんにITサービスを提供するという発想も、とても良い考えだと思う。
だが、結果的には失敗だった。
これは一重には、ビジネス面での検討不足・実施不足があるのではないか。よほど運が良くない限り、待っていてもユーザーが来るわけではない。どういうユーザーのどんなニーズを満たして、どのようにアプローチしてユーザーを獲得するか、という検討や実行が足りなかったのではないか。そこをやっていれば、300ユーザーにとどまるということはないだろう。
また、そもそも病気に苦しむ人に闘病記を書くためのスペースを提供して、どのような満たされていないニーズを満たすことができるのか、僕にはよくわからない。闘病記ならブログに書けばよいではないか。闘病記が多数読めることで、患者が幸せになるだろうか?
また、彼らはチームが大きすぎたと言うpost mortemを行っているが、実質的にCEOが二人になってしまったことが問題だったのだろうか。船頭多くして船山に上るということか。きちんとミッションを共有できていれば、個性がぶつかり合っても良い結果が生まれると思うのだが、マネジメントに特化している方が二人いたのは問題だったのかもしれない。
サービスは一人で作るのがいい、という考えには絶対反対だ。Paul Grahamも述べているが、共同創業者がいないスタートアップというのは絶対良くない。僕もいま経営に全力を投入して、モチベーションや自信を維持できているのは、共同創業者がいるからだ。二人でやることで、仕事もはかどるし、考えも浮かぶし、議論もできる。一人が製品開発している間に、もう一人は顧客開発を行うこともできる。また最大の問題はコミットメントだろう。一人でやっていれば止めるのもさぼるのも自由だ。
僕もビジネスプランの一つとして、患者へコミュニティを提供するビジネスを考えたことがある。
それはもっとアナログなアプローチであり、様々な疾患の患者会を運営するビジネスだ。
患者は、病気の情報を必要としているし、また仲間との交流も必要としている。それを実現するのは闘病記ではなく、もっとベタな患者会などの活動だろう。
患者会は、最新の英語論文を翻訳・要約提供したり、医者や製薬会社によるセミナーや勉強会を主催したり、交流会を行ったり、場合によっては政府や製薬会社に陳情したりといった活動を行うことができる。これはオンラインのお便利サービスでは実現できない価値だ。
当たり前だが、ユーザーを集め、意味あるコンテンツを提供していくには費用がかかる。そのために会員から年会費を受け取ったり、製薬会社の協賛を受けたり、政府の補助金を受けたりと、泥臭い、地を這うような努力をして金を集めていくことが必要だろう。
個人的にそのようなビジネスを考えたこともあるので、ヨセミテさんには非常に期待していた。「素晴らしい考えの会社があるなあ」と思っていた。Sonet M3のような独自のニッチを取れるのではないかと思っていた。だから厳しい意見になってしまった。
「一人でウェブサービスを開発」などというが、経営者の使命は「ウェブサービスを開発」することではない。顧客や社会に価値を与える製品・サービスを開発・提供し、広く使って頂くことである。
一人で引きこもってウェブサービスを開発することにどのような社会的意義があるだろうか。
厳しいことを書いてしまったが、ヨセミテさんに期待するがゆえ、またこれから起業する人たちが同じ間違いを犯さないように、との願いゆえである。決してヨセミテさんのチームを批難する意図ではない。どうかご寛恕頂きたい。
津田さんと塚田さんの今後のさらなる活躍に心から期待している。
ヨセミテさんは、社会的に意義のあることをITを通じて実現しようということで、闘病記を共有するサービスを提供していた。が、サービス開始後一年を過ぎても、297ユーザーしかいないということで、中止せざるを得なくなったのだろう。
創業者二人は、フォートラベルの創業者と、ミクシィの元取締役という華やかな経歴の持ち主だ。
患者さんにITサービスを提供するという発想も、とても良い考えだと思う。
だが、結果的には失敗だった。
これは一重には、ビジネス面での検討不足・実施不足があるのではないか。よほど運が良くない限り、待っていてもユーザーが来るわけではない。どういうユーザーのどんなニーズを満たして、どのようにアプローチしてユーザーを獲得するか、という検討や実行が足りなかったのではないか。そこをやっていれば、300ユーザーにとどまるということはないだろう。
また、そもそも病気に苦しむ人に闘病記を書くためのスペースを提供して、どのような満たされていないニーズを満たすことができるのか、僕にはよくわからない。闘病記ならブログに書けばよいではないか。闘病記が多数読めることで、患者が幸せになるだろうか?
また、彼らはチームが大きすぎたと言うpost mortemを行っているが、実質的にCEOが二人になってしまったことが問題だったのだろうか。船頭多くして船山に上るということか。きちんとミッションを共有できていれば、個性がぶつかり合っても良い結果が生まれると思うのだが、マネジメントに特化している方が二人いたのは問題だったのかもしれない。
サービスは一人で作るのがいい、という考えには絶対反対だ。Paul Grahamも述べているが、共同創業者がいないスタートアップというのは絶対良くない。僕もいま経営に全力を投入して、モチベーションや自信を維持できているのは、共同創業者がいるからだ。二人でやることで、仕事もはかどるし、考えも浮かぶし、議論もできる。一人が製品開発している間に、もう一人は顧客開発を行うこともできる。また最大の問題はコミットメントだろう。一人でやっていれば止めるのもさぼるのも自由だ。
僕もビジネスプランの一つとして、患者へコミュニティを提供するビジネスを考えたことがある。
それはもっとアナログなアプローチであり、様々な疾患の患者会を運営するビジネスだ。
患者は、病気の情報を必要としているし、また仲間との交流も必要としている。それを実現するのは闘病記ではなく、もっとベタな患者会などの活動だろう。
患者会は、最新の英語論文を翻訳・要約提供したり、医者や製薬会社によるセミナーや勉強会を主催したり、交流会を行ったり、場合によっては政府や製薬会社に陳情したりといった活動を行うことができる。これはオンラインのお便利サービスでは実現できない価値だ。
当たり前だが、ユーザーを集め、意味あるコンテンツを提供していくには費用がかかる。そのために会員から年会費を受け取ったり、製薬会社の協賛を受けたり、政府の補助金を受けたりと、泥臭い、地を這うような努力をして金を集めていくことが必要だろう。
個人的にそのようなビジネスを考えたこともあるので、ヨセミテさんには非常に期待していた。「素晴らしい考えの会社があるなあ」と思っていた。Sonet M3のような独自のニッチを取れるのではないかと思っていた。だから厳しい意見になってしまった。
「一人でウェブサービスを開発」などというが、経営者の使命は「ウェブサービスを開発」することではない。顧客や社会に価値を与える製品・サービスを開発・提供し、広く使って頂くことである。
一人で引きこもってウェブサービスを開発することにどのような社会的意義があるだろうか。
厳しいことを書いてしまったが、ヨセミテさんに期待するがゆえ、またこれから起業する人たちが同じ間違いを犯さないように、との願いゆえである。決してヨセミテさんのチームを批難する意図ではない。どうかご寛恕頂きたい。
津田さんと塚田さんの今後のさらなる活躍に心から期待している。


はじめまして。
マツと申します。
ブログ、興味深く拝読しています。
当方、医療関係者です。
日本の患者会は、非営利的性質が強いことが多いので、ビジネスとして成り立たせるのはなかなか難しいかも、と思いました。←そういった要因により、実際には着手されなかったものと拝察します
企業などのバックアップを受けるのも良し悪しで、癒着のような社会現象が起こる場合もあります。←結果として中立的な発言ができなくなる
それから、日本人には、医療サービスについて自発的に考え、自腹を切って(一部負担ではなく)サービスを選好する、という行動に慣れていないという特性がみられます。
以前インターネット医療に関する拙稿を刊行しましたが、事例としては利益をあげることを第一目的にしないサービスがほとんどでした。
長く書いてしまいすみません。
某闘病記サービスも事前にリサーチしていれば、着手されなかった可能性があるな、と思いました。←妥当なリサーチをすれば、かなりのことがわかります もちろん興味深い試みであることは確かですが